
梅の花
ぽんぽん、ぽん、ぽぽんと
咲きはじめ
風の中で頭を下げて
青い空の前に花をあげている
少しだけ甘くて酸っぱい梅の香りがする

見上げると降るように梅の花
こんなにたくさん咲いて咲いて
雨が降ったら散ってしまう

梅の木の横で
朝日が昇るのを
しばらくじっと見ていた
日の光がゆっくり長くなり
高くなっていく
当たり前のことだ
なのに不思議なものを見たかのように
ドキドキする

ゆっくり動く太陽の光で
花は常に表情を変えていた
自転しているのは地球で
太陽も動いているんだっけか



日の出の光は赤よりオレンジ
桃色に柔らかい


「太陽よ!太陽が昇ってきたわ!」
花が叫んでいるようだった
花の命は花によるけれどやっぱり短い
一週間そこらだ
その間、夜に何を思い、また昇る日差しに何を思っているんだろう


花とともに自転している地球の上で
太陽を見ていた
