なんか奈良に行きたくて、そして蛍を見たくなった。
蛍は良いよぅ。最初は奈良の古墳を見ようかと思ったんだけど
そこではすでに蛍が終わっているらしい。
AIに「今の時期で、奈良で蛍でいいところない?」と聞いたら
洞川温泉を紹介された
それでサクサクと、とりあえず良さげな旅館をとっていってきた

すごい景色だった、
着いてすぐに八幡神社があった
ものすごい、大きな木がすん、っと空にのびていて
背筋が伸びるような、心地の良い空気が漂っている

川沿いにお寺やお宿が立ち並び、
綺麗な音がする

夜に蛍は見れますか、と宿の人に聞いたら
うーんっという感じ。
どうも台風の影響で、まだ早かったらしい
それでも少しばかり休んでから
夜になって蛍を探した
お寺は綺麗にライトアップされていて
これなら池に落ちる心配もない、でも蛍は強い光はだめなんじゃないかと少し気になる、
やはりまだ早かったらしくて何も飛んでない
ライトアップの光なのか、蛍なのか
わからないまま、少し歩いた
あ、一匹いた、すっと飛んで、すっととまった
きれいな、やわらかい青白い光
じっとただ見とれていた

朝になって、さっそく、みたらい渓谷に向かった
「天河大辨才天神社」という有名な、いにしえの神社があるらしいので
宿から歩いて行ってみようと思ったのだ
洞川温泉→神社→天川川合で帰りのバスに乗る
だいたい4・5時間ぐらい歩く

洞川温泉から散歩道に入ると、シダが生い茂り、木々に囲まれる
小さな鳥の小さな声が響き渡り、かたわらに川が流れ続けている
心地よい

写真を撮りながら、ゆっくりじっくり歩いた
山道とはいえきちんと整えられていて、歩きにくくはない
とても気持ちが良いハイキングだ



車道にでて少し歩くと、観音登山口というところから、本格的なみたらい渓谷散策路に入る
その前のところで、おじさんに声をかけられた
「ここら辺、熊いるよ、熊、気を付けてね」
「ええ、そうなんですか」
なぜか今日にかぎって熊鈴を忘れてきた私はひどくおののいた
とりあえず、携帯でラジオをかけた。携帯電話は素晴らしい文明の機器だ
だが森の中だとやはり携帯電話のラジオは音が小さい、響かない
鈴を何で忘れたか、と震えながら
とにかく必死に歩く
よりによって道を間違えた
「マムシ出ます」「マムシ注意」「ここら辺マムシ出ます」
たくさんの警告文が並んでいる中、
間違えたことに気が付いて、また必死に引き返す
熊もマムシもでるんだなぁ。自然て脅威

なんとか元の道に戻り、とにかくせかせか歩く
写真も撮ってて気が気ではない
熊が出るんですもの

渓谷のひらけた場所にたどり着くと、
エメラルドグリーンのうつくしく透き通った水が現れた
あけたところが駐車場になっていて
そこからなんにんかの人がやってきて
その水を眺めたりしている
少しほっとする。自然のなかでひとりきりはやはり怖いものだ
もう山道はつらかったので、
車道からハイキングをつづけた



てくてく。てくてく。足がなんか震えてきた。
思い返せば、いつもやっている準備体操を今日に限ってしていない。
疲れが出たのだ。なんで今日に限っていろいろしてないし忘れるのか。
デッサンしようと思っていたのに絵の道具も忘れてきている。
あちゃー。

ようやく天川大辨才天神社に着く。
わーっというか、ほーっというか
なんとも無事にこれて安心した。
お参りし、ここに無事にこれたことをありがとうございます、と伝える
すっと通るような綺麗な神社だった
帰りに神社の横のカフェでかき氷などをいただく
疲れた体にしみこむようだった

天川川合のバス停までは余裕が回復してきて
いろいろなものをじっくり見ながら
ゆっくり帰った



かえって宿の方に「天河神社まで歩いて行ったんです」といったら
「すんごく遠かったでしょう!」と驚かれた
すんごく遠かった
町中を5時間歩くのとはやっぱり違って
足が震えたんですよー
その日の夜も蛍を探した
2匹見た、白い、綺麗な光が
川べりを点滅しながら飛んでいた
残念ながら沢山の蛍ではなかったけれど
これはこれで素敵だった
いつも通りに帰ってきて、おいた体にはきつかったらしく
2日間、足ががくうんがくうんした