友達と暗い夜道でハーゲンダッツのアイスを買いました。 私はバニラレーズン、彼女はリキュール。 ふたりでぽてぽて歩きながらアイスを食べます。 「レーズンはサイの角でつけるんだよ」 「へぇ、そうなんだ」 だから奥深くまでレーズンが入っているのだなぁ、と私は思いました。 道の角に来て、ふと、振り返ったら、 いっぱいの犬が人に引き連れられて来ました。 しかも何匹かは縄すらつけていません。 私は無性に怖くなって、車道と歩道を分ける白い柵(円←こういうやつ) の一段目にコアラのように、ぶら下がって、 犬から逃げようとしました。 ここなら犬もとどくまい、と思ったのです。 友達は慌てる私を冷静な目で見て「怖がるから噛まれるんだよ」と言いました。 事実、犬はぶら下がる私にうーと唸って がぶりとお尻を噛みました。 ちょっと高かったけれど、犬が噛むには十分の高さだったのです。 私は「うひゃあ」と叫んで、駆け出しました。 (いきなり場面転換) 私は道の角を曲がって少し行ったところにある、 時計台(とても高い、木より高い)の一番上に猿のように掴まっていました。 父が私の尻を支えながら、 「ここにいれば、大丈夫だからな、動くなよ」 と言いました。 私が見下ろすと、友達が犬らに追われながら両手を上げて、 あっちの方へ逃げているところでした。 父が「とう!!」と叫んで飛び降りました。 友達を助けに行くのでしょう。 すると犬らは父に気がつき、「がー」「うー」と唸って 父を追いかけだしました。 とても高いところに居たので、父の悲鳴は聞こえませんでした。