宿に泊まる夢

青緑に雨が降っている
修学旅行をしていたんだっけか
よく覚えていない
家に帰るにはまだ道のりがある
だいぶ雨足は強まり
途中で夜になりそうだ
宿を借りることにした

ちょうどよく
道端に宿っぽいものをみつける
木々は青く黒く
さびれた匂いがする
ふるく、どっしりとした
丁寧にすごしている
日本のやしきのにおい

かんばんは
達筆な字で読みにくい
突然だがとめてくれるだろうか
ドアを開けて、すいません、と
たずねたら
あいにくの雨脚で
満員なのですが
普段はとめない部屋があいているという

宿前の空き地は
ちいさな白い花が咲いていて
草のにおいがする

そこでよいからとめてほしい、というと
あんないされる
まるで迷路のような宿だ
途中、人が寝ている部屋を
しずかにはいり、しずかにわたり
しずかにでる

細い廊下をいったりきたりする
そういえば
雨で体がひえているので
風呂にはいりたいが
こうも入り組んだ迷路のようだと
迷惑をかけるだろう、と
今日はこのまま
寝るしかない、と思う

通された部屋は
ちいさく畳がすこしにおう
おくまったところに
無数のおかっぱの日本人形があって
真っ黒な目でこちらを見ている

おそろしいな、と思うが
つかれているから、布団をしいて横になる