ルパン三世の夢

私は新米刑事である宗教の見張り役を仰せつかった。

妹と弟とでその宗教に忍び込むことになった。

二階の障子からバック転で忍び込む私たち。

そこは赤と黒で出来た純和風の広いお屋敷だった。

赤と黒の柱が綺麗に並んでいる。

どうやら今は宗教会のようで、人々の姿はなく、

私たちは思う存分屋敷を探検できた。

ふと、ある廊下に迷い込む私。

廊下の片方は黒い庭に面していて

モウ片方は大きな襖が黒い柱に挟まれてずらーーーーっと並んでいる。

すこし行ったところにある、一際大きな襖から

みそぼそとざわめきが漏れていた。

私はちょっと緊張しながらその襖をそっと開いた。

金色の袈裟を着、金色の三角帽をかぶった爺を中心に

取り囲むようにして人々がお祈りをしている。

意味の分からない呟きが一定のリズムで力強く流れている。

正面の壁に赤と黒の花で囲まれた大きな絵があり、

その前に赤と黒の台があって、妊婦が横たわっていた。

(この宗教は、妊娠している人を病院に行かず自力で出産させることを良しとしているのだ)

ふとそう気がついた。

現に妊婦の股に1人の宗教尼が近づいていく、その手には黒いはさみが握られている。

尼はおもむろに妊婦の股に手を突っ込むと

大根でも引き抜くようにずるりと大きな赤子を引き抜いた。

赤子は太っていて、大人の足を二倍にしたような太い臍の緒を持っていた。

「えーと、これを切ればいいのよね」

尼はそう呟くと何気なく臍の緒をちょきんと切った。

「うぎゃあああああ」と妊婦が叫び、

臍の緒の切れ目から血が噴き出した。途端に死亡する、妊婦と赤子。

見ると台の横に警察がいて、数人周りを取り囲んでいた様だが誰も慌てず、

尼の行動を止めるモノもなかった。

私はそれを見てぞっとしてカタリと足下の柱をならしてしまった。

バッと宗教人達がこちらを振り返る。

恐ろしくなりとっさに「逃げなければ」と思って私は走り出した。

いつの間にか黒い庭だと思っていた所は庭ではなく、大きな十字路になっていた。

私は車の飛び交う中、

一つの赤いスポーツカーからルパン三世が手招きしているのに気がついた。

走りながらその車に乗り込む。

後ろから追いかけてくる、宗教人と警官達。

私たちは車を走りに走らせてとある住宅地の一角に逃げ込んだ。

そこに人ほどの大きさの丸っこいロボットと四角い青いロボットがいて、

ルパンが丸いロボットを指して「あれは俺達のロボだ」と言った。

じゃぁ四角い青いロボは私のだな、と思った。

私がその四角いロボットに乗り込むと、ルパンも続けて乗り込んできて、

「これ飛べるんだろう」と言った。

見るとルパンのロボットは決して早いとは言えない歩みで

ぎぃがしゃ、ぎぃがしゃと道を行ってしまっている。

「あれは飛べないんだ」とルパンが言った。

そういわれるとこのロボは飛べるような気がしてきて

私は操縦桿をぎゅっとにぎってグイッと引っ張ってみた。

浮き立つロボット。

しかし不安定でそんなに高く飛べない。

路地に間一髪でなだれ込んできた宗教人達。

「もっと高く飛べないのか?」とルパンが聞いてきたので

「高く飛んだら宗教人達に基地がみつかっちゃうじゃん」と言って誤魔化した。