透明な人の夢

透明な人と遊ぶ夢を見た。

透明な人は腰にクリーム色の繻子をつけ

クリーム色の髪と黄色の目を持っていた。

それ以外は少し濁った白い透明の色をしていて

その人を透してうっすらと向こうが見えるのだ。

私たち二人は天井の抜けた、白い箱の中にいて

太陽の日差しが箱の外にあるジャングルの影を

箱の壁に透き通らせるのを見ていた。

抜けた天井にちょっとだけジャングルの緑色が見えた。

私はしゃがんで透明な人の透明な足に小さな銀色の釘をさした。

「痛いですか?」と聞くと、

その人は

「うん」とうなって首を振った。

釘はナタデココに刺したようにふるると震えた。

ナタデココを歯で噛んだような手応えがあった。

私は透明な人の足のつめが綺麗な形をしているのをぼうっと眺めていた。

透明な人が「もっと刺して良いよ」と言うので

銀色の釘を一杯持ってきて

透明な太股とふくらはぎに次々と刺していった。

刺すたびに「痛いですか?」と聞いたが

透明な人は首をフルばかりでにこにこ笑っていた。

釘がごちゃごちゃに刺さって、

透明の人の足がロボットみたいになったとき、

ふと透明な人が「外にでようか」と言った。

いつの間にか開いていた白いドアを

私たちは手をつないでくぐった。

ジャングルに一歩踏み出すと

幻のようにジャングルの影は消えて、

そこは大都会の摩天楼になった。

私たちふたりは大きな交差点の前にいた。

突然、「痛い、痛いよぉ」と透明な人が悲鳴を上げた。

見ると、刺さっている釘から透明な赤い液体が次々に溢れている。

外にでたから釘がちゃんと刺さってしまったのだ。

私は倒れ込む透明な人を抱えて、

「誰カー誰かぁ!!」と助けを呼んで泣いた。