おばぁちゃんが絵を選ぶ

ある展覧会が開かれると言うのでおばぁちゃんと行ってみた。

会場は小さく、黄色い布であちらこちらを覆った小屋だった。

中は薄暗く、まばらに人々が絵を選んでいる。  

所々に落とし穴のように、 

布はピンと張ってあるのに、床がない地面があって、 

ずぼずぼとみんな落っこちていた。

「気をつけて、こんなのに落っこちたら ノイローゼになっちゃうから、おばぁちゃん。」

とおばぁちゃんに言うと、

「それでも絵を選びたいんだよ」と言われた。

おばぁちゃんは長い木の半分腐りかかった梯子を持ってきて

壁に立てかけると、その先にある高く掲げられた絵をじっと観察しだした。

そのまま動かなくなってしまったので

怖くなって「おばあぁちゃん、おばぁちゃん」と叫んだ。