みんなが動物になる

みんなが何かの動物になってしまう夢を見た。

高速ビルが建ち並ぶ摩天楼。

あるビルの屋上で私たちは曇り空の下、動物にぐにゅうりと変身していった。

スライムのように体の感覚が無くなり、形が無くなり、肌色の固まりになって

それぞれ様々な動物へと変身していった。

私はピンクのトラになって

(夢の中ではトラと位置づけられていたが覚めてみるとあれはどう見ても雌豹だった)

高いビルの上を軽々と跳ね、遊んだ。

みんなもそれぞれの動物のまま、ビルの上を飛び交い

悠々と過ごした。

雨が時折ハラハラと降ったがそれでもトラの体には心地よいリズムにしか感じなかった。

自分の毛だらけの体が誇らしく、私は度々空に向かってほえた。

他の変身人間達は時折例の肌色のスライムになって人間に戻ったりしていたが

私はトラの体が好きだったので人間に戻ることはなかった。

ピンクのトラだったので、私一人だけが実際しない色の動物だったので

気がつくと私は他の変身人間達に追われていた。

変身人間達は人間になったり動物になったりして私を追った。

私の体はしなやかで速く、彼らを撒くことなど造作もなかったので

急に立ち止まったり引き返したりと彼らをからかい、

存分にこの鬼ごっこを楽しんだ。

ピーッと笛が鳴って変身人間達は一斉にとあるビルに集合していった。

私の脳にも「集合」と言う命令が来たのでちゃんと人間の姿に戻って

そのビルに向かった。

ビルの上には小さい黒い人がいて「人気度を発表します」と言った。

隣にいた友達のMが

「私はトラが最下位だと思うな、

だって誰がトラか解らないもの」と言った。

「私がトラですが」

「うそっ!」

「本当ですよーん」

おどけて私はぐにゅーっとトラに変身して見せ、すぐに人に戻った。

どう?と言おうとして先に黒い人の声が響いた。

「最下位、トラ」

どよっとみんながざわめいて、一斉に私を見た。