神・バロン

私は幽体となって友達と二人で飛んでいた。

ある諸島の上にある町に気まぐれでおりると、そこのオサのような人が

「この町の神の壺がなくなってしまい、とても困っている」

と言った。

そこで友達と二人で

(何故か壺は海に落ちているとわかっていた)

この諸島を取り囲む海にダイブして壺を探し出した。

見つけた壺は妙な形をしていて、

上と真横に細長い線のような穴が空いていた。

海の上にたちながら私たちはそれをつくづくと眺めた。

その中に水がたまっていて友達はそれを真横の穴から指ですくって嘗めた。

「甘い。」

「のむなよ」

制止の声も聞かず友達は何回も何回もその水を嘗め、

しまいには壺を両手でもって

ごくごくと水を飲み始めた。

「あおーん」と獣のような嘆き声が壺から響いたと想うと、

狛犬が真横の穴から膨らみながらするっと飛び出してきて

あおーんともう一泣きすると空に向かって飛んでいってしまった。

{そうしてバロンは泣きながら飛んでいってしまったのです}

とアナウンスが流れ

何故かあの犬が壺に棲んでいた神様でバロンだったと気がついた。

友達に怒ろうと振り向くと、

壺の水を嘗めながら

「もう甘くない」

「そのかわり」

「鼻から血が出る」

と言って鼻から血を出してきた。

「だすなよ」と言って夢から目が覚めた。