犯罪者M

Yが風邪を引いて寝込んでいるというので

みんなでバスに乗ってお見舞いにいくことにした。

地下鉄の駅にはいると、一緒に来ていたMが

何故かプルプルと震えている。

奥から警察が来て

「***と言う犯罪を犯した人がいるのですが

心当たりはありませんか?」と言ってきた。

振り返るとMはうつむいて顔を隠していた。

そこで私はMの方に優しく手を乗せて

「逃げて」と囁いた。

Mははっとしたように顔を上げて、

すぐに走って入り口に備えられていた掃除用具入れに隠れた。

ドキドキしてみると、警察は遙か向こうに行っていて

見つかる心配はないと思われた。

ベルが鳴って

「M(YではなくMと言った)様のお見舞いに行く方はホームにお入り下さい」

とアナウンスされたので

取りあえずホームに向かうと

Sが片方の足にMの上履き(青いから目立った)を履いていて

みんなに「何だこれは」「おかしいぞ」と言われていた。

「え?何が?」と聞くと、

「此処に犯罪者がいるぞ!」

「Sが履いているのは犯罪者の上履きだぞ!!」

とばれていた。

「武器を持て!!」と誰かが言いだして、

みんなウオオオオとばかりに掃除用具入れに向かい、

(掃除道具を武器とするらしい)がちゃっとそこを開けた。

「あ・・・」と言ったきり両者固まって動かなくなった。