カエルと城


中島みゆきの暗い歌が橙から紫色に染まって
今明けようとしている空に響いていた。
誰かが歌っているのか、それとも幻聴か。

気がつけば私はビニールでできた
おもちゃの城の前にいた。

げっげっげと、
二匹のカエルが門番のように城門の前でみゆきの歌にあわせて歌っている。
一匹は緑で大きなガマ、
もう一匹は鮮やかなオレンジ色の小さなカエル。

誰かが私の耳に何かをごちゃごちゃと囁いていた。
隣に誰か居るらしいが私はそれを確かめなかった。
私の目はカエルに釘付けだったから。

私の目の前でカエルの口が裂けていく。
歌いながら裂けていく。
赤い赤い口を見ている。
二匹のカエルの口が赤く裂けた。

口の中に白い紙切れがあった。
丁寧にたたまれていたので私はそれを取って広げてみた。

「あけまして」「おめでとう」

目が覚めてちょっと呆然とした。